
日中に愛情を込めて書かかれた自伝
復刻版 二つの祖国の狭間に生きる
長谷川テルの遺児暁子の半生
出版社:せせらぎ出版
著者:長谷川 暁子(はせがわ あきこ)
ジャンル
歴史/ノンフィクション
キーワード
エスペラント/反戦/エスペランティスト/反帝国主義/緑川英子/長谷川照子/ヴェルダ・マーヨ/劉暁嵐/劉仁/望郷の星/文化大革命/中国/ファシスト/烈士遺児/アイデンティティ
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戦中、中国各地で日本軍兵士に対して反戦平和放送をした、エスペランチスト長谷川テル。中国人の夫・劉仁との間に生まれたのが、本書の著者 長谷川暁子(中国名「劉暁嵐」)である。
「烈士遺児」として中国で育てられ「文化大革命」など過酷な動乱の時代を生きぬき、その後日本に渡り日本国籍を得た著者が記した半生。
2012年に同時代社より刊行された『二つの祖国の狭間に生きる』の完全復刻版。
「拙書は、私が生きてきた前世紀におきた日中両国の悲劇を、二つの祖国をもつ者の立場から、ある程度客観的に反映できているのではないかと思います。ここにせせらぎ出版によって、復刻版出版が実現したことは、大変うれしく光栄の限りです。より多くの、二つの祖国の同胞が、自国の歴史の翳を直視できることは、私にとっても新しい希望です。」──長谷川暁子「復刻版出版にあたって」より
〈目 次〉
- 口絵
- 目次
- 復刻版出版にあたって
- 第一章 遥かな記憶
- 一人ぼっち
- 懐かしき母校
- 私の母は日本人?
- 史先生の不運
- 第二章 光と影の交錯
- 新しい生活
- 冬休みの試練
- 「製鉄製鋼」の狂騒
- 兄との再会
- 初めて両親の顔を知る
- 赤い衝撃
- 十四歳の反抗
- 第三章 平穏な高校時代
- 恩知らずへの反省
- 過酷極まる一族の運命
- 両親の生涯
- ささやかな波紋
- 第四章 嵐の歳月
- 揺れた青春
- 歪んでいくキャンパス
- ネコ先生の話
- 「造反有理」の実相
- 兄の闘い
- ジャムスヘの旅
- 打ち切られた奨学金
- 第五章 自由への歩み
- 辺鄙な砂漠へ島流し
- 叶った夢
- 日中友好ブームの中、日本へ
- 第六章 第二の人生
- 長谷川テルの遺児としての葛藤
- 「ニッポンヘの情」との別れ
- 素晴らしき出会い
- 奈良の日々
- 兄妹の選択
- 再び日本へ
- 「小日本人」の成長
- 終章 二つの祖国の狭間で
- 解説 岩垂弘
著者プロフィール
長谷川 暁子(はせがわ あきこ)
- 1946年4月14日中国瀋陽に生まれる。哈尓浜市霄虹小学校、同市第十一中学校、同市第三十二高校を卒業、
- 1964年、唐山鉄道学院電力工学部入学。
- 1970年、寧夏回族自治区中衛鉄路職工子弟学校(中学・高校)で数学教師として勤務。
- 1980年より、北京鉄道部二七機車工廠の職工大学で勤務。
- 1985年10月~1987年3月、東京電気通信大学、奈良女子大学へ留学。
- 1990年5月~1991年3月、福島大学へ留学。
- 1992年の春、日本国籍取得。京都学園大学、神戸学院大学、同志社大学で中国語非常勤講師として勤務。