
中国における漢訳聖書の全貌
現代中国語訳の聖書
モリソン訳から改訂和合本聖書に至る翻訳史
出版社:せせらぎ出版
著者:沼野 治郎(ぬまの じろう)
ジャンル
聖書/キリスト教
キーワード
聖書/キリスト教/カトリック/中国語訳/漢訳
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中国語の聖書翻訳は歴史が古く、日本語訳聖書に『旧約聖書』『新約聖書』の各書の名前、たとえば、創世記、申命記、士師記、使徒行伝などをはじめ聖書に登場する多くの固有名詞(耶蘇基督、馬太、路加など)や他の数多くの用語(神、福音、安息日、聖霊、伝道、復活など)において、広範な影響を与えている。それは1819年(江戸時代 文政2年)のモリソンの漢訳聖書に溯る……本書はカトリックによる最初の聖書漢訳から今日に至る中国語聖書の歴史を俯瞰できるよう試みるものである。(「はじめに」より)
〈目 次〉
- 推薦の言葉/薛恩峰
- はじめに
- 第一章 中国語訳聖書の前史
- 1 初期の中国語訳聖書
- (1)〈1636年〉『聖經直解』
- (2)〈1707年〉『バセ訳新約聖書稿本』(『 ローマ稿本』)
- (3)〈1707年〉『 バセ訳新約聖書稿本 』(『ケンブリッジ稿本』)
- (4)〈1707年〉『バセ訳新約聖書稿本』( 『大英図書館稿本』)
- (5)〈1823年〉モリソン『神天聖書』
- 2 訳文間の比較
- 3 その後のモリソン訳の改訂
- モリソン訳『神天聖書』『第一回改訂』(通称『四人組訳』)
- モリソン訳『神天聖書』『第二回改訂』(『代表委員訳』)
- 『ブリッジマン・カルバートソン訳』(中国名『裨治文訳本』、通称『BC訳』)
- 4 モリソン訳の行われた背景と意義
- 5 使用語彙についての観察
- 1 初期の中国語訳聖書
- 第二章 『和合本聖書』の出版とその後
- 1 1919年『和合本聖書』出版に至る流れ
- 2 19世紀後半の歴史的背景
- 3 『和合本聖書』の翻訳出版
- 4 『新句読点和合本聖書』の出版
- 5 2010年『改訂和合本聖書』(『Revised Chinese Union Version』、略称『RCUV』)完成
- 改訂の試み
- 改訂の特徴
- 出版
- 改訂例
- (1)中国語の変遷を反映
- (2)間違いの訂正
- (3)原語を考慮した改訂
- (4)ヘブライ語「ヒンネー」の扱い
- 反響と期待
- 第三章 その他の聖書翻訳
- 1 『呂振中訳本』
- 2 『思高本聖書』(中国語『思高本聖経』)
- 3 『当代訳本』
- 4 『現代中文訳本』
- 5 『聖書新譯本』(中国語では『聖經新譯本』)
- 6 『回復訳聖書』(中国語では『圣经恢复本』)
- 7 『牧霊聖経』
- 第四章 近年顕著な中国語聖書翻訳における英米の二つの流れ
- 資料編
- 資料1 中国語訳聖書関係年譜
- 資料2 漢訳されたキリスト教用語
- 資料3 中国のキリスト教史一覧
- 資料4 家庭教会
- 資料5 中国でキリスト教が発展している理由
- 資料6 中国カトリック教会(天主教)とバチカンの関係
- 中国地図
- あとがき
- 参考文献
- 索引
著者プロフィール
沼野 治郎(ぬまの じろう)
- 1941年(昭和16年)、中国上海に生まれる。1964年大阪外国語大学(現大阪大学)中国語科卒業。1974年から1976年までブリガムヤング大学(アメリカユタ州プロボ)に留学、言語学修士取得。MA論文はユージン・ナイダ、W. ワンダーリの聖書翻訳を含む翻訳の理論と実践について。1980~1998年、徳山大学、1999~2008年、広島国際学院大学英語担当教授(一時中国語、言語学を担当)。その間、メリーランド大学岩国センター(日本語)、山口大学、広島大学(ともに英語)で非常勤講師を務める。2009~2011年中国黒竜江外国語学院(元ハルピン師範大学恒星学院)で日本語を教えた。
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